お持ちの不動産を証券化して資金を調達しようとお考えの方々

 不動産の証券化とは?
 不動産(土地・建物)は、動かない有形の実物資産すなわち持ち運びができない「モノ」であるのに対し、証券(有価証券)は、財産的に価値のある権利を記載した証書、すなわち持ち運び可能な「カミ」です。
  不動産の証券化とは、この「モノ」を「カミ」に質的に転換させることといえます。
 また、一個の不動産に対して、多数の証券を発行することができますから、「一」を「多」にするという量的な転換も意味します。
 このように、不動産を証券化するとは、大きな固まりであるひとつの不動産を多数の紙に分けて、多数の人がその利益を得られるようにする仕組なのです。
 なぜ、不動産証券化のニーズが高まっているのか
@ 間接金融から直接金融へ
金融機関の貸渋りにより、資金調達ができず、いわゆる黒字倒産が相次いだことは記憶に新しいことです。 いま、企業は金融機関から資金調達するという間接金融依存型から、一般の資本市場より直接資金を調達するという新たな方法を見出す必要があり、その方法のひとつとして不動産証券化のニーズが高まっています。
A オフ、バランスの手段として
資金調達を有利に行うためには、ROA(※)などの経営指標をよくしなければなりません。
そのためには、総資産の中で大きなウェートを占める不動産を貸借対照表(バランスシート)から落とす「オフバランス」が必要です。 そこで、単純売却以外の方法として、不動産証券化の活用が期待されます。
※ROA=経常利益÷総資産
ROAを高めるためには、経常利益を増加させることが一番であるが、それが困難な現状では、逆に総資産を小さくしなければならない。
B 企業の資産所有に対する考え方の変化
土地神話が崩壊したいま、不動産の含み益による経営は完全に崩れ去り、逆に不動産を所有することが、リスクになってきています。このような中、資産効率を上げ、キャッシュフロー重視の経営に転換するために、不動産を所有しない方向での企業運営が求められています。
C 個人資産の受け皿として
現在、日本の個人金融資産は、1,200兆円〜1,300兆円といわれていますが、その半分以上が現金と預貯金です。 この低金利の中、個人金融資産は、安定した新しい投資商品を探しており、不動産証券化商品が個人資産の受け皿のひとつになってきます。
  どのような不動産が証券化が可能なのか
 不動産を証券化するためにはその不動産がキャッシュフロー(現金)を生み出すものでなければなりません。 不動産が生み出すキャッシュフローには、@賃料収入 A売却代金
の2つがあります。
 このうち、Aは、売却という最終的なものですし、現在の地価下落傾向からしますと、売却差益(キャピタルゲイン)はあまり期待できません。
 そこで、重要となるのは、その不動産を運営して得られる@の賃料収入(インカムゲイン)となります。
 したがいまして、証券化の対象不動産としては、既に稼働中の収益物件が一番適します。
 勿論、現時点では収益がない不動産でも、証券化は可能ですが、収益を生み出すまでの間の開発リスクがありますので、稼働中の物件よりもリスクが大きくなります。
  SPC(特定目的会社)とは
 いわゆる「SPC法」は、平成10年6月15日に成立し、同年9月1日に施行されました。
 SPC(Special Purpose Company)とは、「特定資産(不動産、指名債権等)」を流動化するための@資産の取得とAその資産に対応する証券の発行だけを行う会社です。
 このSPCは、不動産についていえば、不動産という「モノ」を証券という「カミ」に変換させるための導管体としての役割のみを担います。 したがいまして、不動産の管理運営を直接行うものではありません。
 SPCを使った、不動産証券化のスキーム(仕組み)の一例を挙げます。 これは、あくまでも基本的なスキームですので、内容に応じて様々な仕組みを構築しなければなりません。
 今後の不動産証券化市場
 平成10年9月のSPC法施行以来、不動産証券化市場は急拡大しており、平成12年3月末までの不動産証券化商品の発行残高は実に1兆円を上回ってきています。
 さらに、今年内にも、不動産を投資対象とする「不動産投資信託」が解禁される見通しで、不動産証券化市場は、今後ますます拡大することが予測されます。

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