不良債権担保不動産の円滑な処理をお考えの方々

 不良債権担保不動産の処理
 わが国経済は昭和恐慌以来の難局に直面しています。この危機を乗り越え、一層の発展を目指すには、現下の緊急課題である不良債権・債務関係の迅速円滑な処理を進める必要があります。
 金融機関が抱える不良債権担保不動産の処理を行う際、不動産鑑定士等が所属する「(社)日本不動産鑑定協会」において、平成10年11月、「不良債権担保不動産の適正評価手続きにおける不動産の鑑定評価に際して留意すべき事項について(以下、「留意事項」という)」が取りまとめられました。
 さらに、平成10年12月4日、国税庁から当協会へ、この「留意事項」に基づいて算定された不良債権担保不動産の価格は税務上、無税償却が認められる旨の回答がなされています。
 塩づけになっている不良債権処理の方法として、従来のように担保不動産の処理を複雑で手間のかかる「競売」手続や「共同債権買取機構」を経ずとも、「留意事項」に基づく不動産の鑑定評価の手法により、一般投資家等への「任意売却」が可能となりました。
 不良債権担保不動産の適正評価手続とは
 不良債権処理を促進するため、「競売」手続や政策的な「共同債権買取機構」や、住宅基盤整備公団」等への売却のほか一般投資家への「任意売却」が考えられます。
 こうした不良債権の実質的処理を進めるうえでは、その担保となっている不動産が現実の市場でどの程度の経済価値を有するものとして評価されるかが、重要な関心事の一つとなりました。
 上記の「留意事項」は
T 「デフォルト状態にある不良債権の担保不動産」と「デフォルト状態にない不良債権の担保不動産」に区分する。
U 不動産の鑑定評価に際しては、この区分に応じた「適正な評価手続」を行う。
V 税務当局もこの方法による価格決定に公正性が担保されている限り税務上適正な価格として取り扱われ、無税償却を認める。
となりました。
 この「留意事項」に基づく不動産の鑑定評価手法は、評価の対象となる不動産が有している収益力を価格に的確に反映させることを基本としており、原則として不動産の詳細な調査と正確なデータを基にDCF法(収益還元法の一つ)という手法により評価致します。
 適正評価手続によるメリットは
 不良債権処理を進めるには、債権放棄が伴います。特にデフォルト状態にない不良債権処理については債権放棄の関門「寄付金課税」の問題が立ちはだかっていました。
 これに対し、国税庁は、平成10年6月1日に法人税基本通達を一部改正し、金融機関等の不良債権処理を迅速化する狙いで、「合理的な再建計画に基づく債権放棄により発生する損失は税務上の損金に算入できる」旨の「寄与金課税」問題の明確化が図られました。
 すなわち、法人が子会社等(取引先、役員を派遣している会社及び資金を貸し付けている会社等を含む)の整理や再建に伴って当該子会社等に対して行う債権放棄等の利益供与が合理的な再建計画に基づき、「留意事項」に基づく適正評価手続きを経ていれば、「寄付金」に該当しない―無税償却OK―こととなりました。

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